最近、食べこぼしが増えた、硬いものが噛みにくい、むせやすい。
そんな変化はありませんか?
こうした小さな衰えが重なって起こる状態は、「オーラルフレイル」と呼ばれます。
当院ではオーラルフレイルを早期に見つけ、全身の健康につなげるための指標として、「舌圧(ぜつあつ)」の測定とトレーニングにも力を入れています。
1. 「口の筋肉」の衰えは、全身の健康とも関係します
お口の周りや舌の筋肉量が減って筋力が低下した状態は、「口のサルコペニア」とも呼ばれます。
単に「食べにくい」だけではなく、さまざまなリスクと関連することが報告されています。
- 低栄養のリスク:歯を失って噛み合わせが崩れ、噛む機能が低下すると、低栄養のリスクが約3倍(3.19倍)に高まるという報告があります。
- 窒息のリスク:噛み合わせの崩壊や舌機能の低下は、食事中の窒息リスクも約1.7倍(1.75倍)高める要因になり得ます。
- 認知機能との関連:舌圧や咀嚼機能の低下が、認知機能の低下(MCI:軽度認知障害)と関連する可能性が示唆されています。
2. 「舌圧」は健康のバロメーター
- 50代頃から変化が出始めることも:咀嚼機能の衰えの兆候は、高齢期に入る前から見られることがあります。
- 食事の目安は「20kPa」:舌圧は個人差がありますが、一般的に20kPaを下回ると、通常の食事(常食)が摂りにくくなり、嚥下調整食が必要になる可能性が高まります。
- 全身の筋力とも関係:舌圧は、握力や歩行能力などの身体機能とも関連する傾向があり、全身の状態を映す指標のひとつと考えられています。
- 「食べる・話す・呼吸する」機能が十分に育っていないお子さまが増えています。
- 舌圧を数値で見える化することで、現状を把握しやすくなり、ご本人・保護者の方のモチベーション維持にも役立ちます。
高齢期:
- 「歳のせい」と見過ごさず、舌圧を定期的にチェックすることは、将来の低栄養・誤嚥・フレイル対策の一歩になります。
4. 歯科医院でできる「舌の筋トレ」
- 客観的な測定:当院では専用の測定器(JMS舌圧測定器)を用いて、短時間で舌圧を数値化します。
- 楽しみながらトレーニング:ペコぱんだ等を使い、ゲーム感覚で段階的に舌の筋力を鍛える方法もあります。
- 飲み込みのサポート:舌の訓練は、食べ物をまとめて送る機能だけでなく、飲み込みに関わる機能の改善につながる可能性が報告されています。
検診は「歯」だけでなく「機能」も。









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